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前回の続きというか、
命題論理組曲における私の手癖についてです。
動画の投稿者コメントで「手癖のオンパレード」と書いてある通り、この曲は自分の気に入っている展開、興味のある技法なんかが、脳の赴くまま、わりと非論理的にぶちこまれています。
というわけで、自分でも何をどうやったらこんな書き方するんだと思う箇所が山盛りで、その解析ノートもかねて書き連ねたいと思います。
冗談抜きで、自分が演奏する側なら作曲者何考えてんだって思います。皆さんは思いませんか?
命題論理組曲における私の手癖についてです。
動画の投稿者コメントで「手癖のオンパレード」と書いてある通り、この曲は自分の気に入っている展開、興味のある技法なんかが、脳の赴くまま、わりと非論理的にぶちこまれています。
というわけで、自分でも何をどうやったらこんな書き方するんだと思う箇所が山盛りで、その解析ノートもかねて書き連ねたいと思います。
冗談抜きで、自分が演奏する側なら作曲者何考えてんだって思います。皆さんは思いませんか?
Axiom 1: φ → (ψ → φ)
拍子指定が3/4なこともあってテンポはおそらくワルツの範囲内。
調性的にはa-molではあるものの、25小節目まであんまりその気はない。というか作曲時もそんな感じだった。無調くらいの勢いで作っていたものの、最終的にa-molに収束した理由は謎。
全体的に半音階でのクリシェを濫用しまくっている。
iから初めてベースを半音階で下ろし続けるのとか最高におしゃんてぃーじゃないですか?
ただしこの曲ではかなり強引な使用法が多い。
9~13までの5小節間、最高音と最低音が23度(3オクターブ+2度)を保ち続けて平行に半音階を降りたり、15~16で和音の遷移に強引に半音階がねじ込まれていたり、61~62はただでさえ低音域に密集している和音の中の最低音がさらに半音ずつ下がっていたりする。きたない。
特に16小節め他のCis-A-C-Esの和音は、これだけ取り出すととてもきたない。
一瞬で通り過ぎるからこそ可能にできる荒業だと思う。
1~:着地点のない序奏。これからの曲想を一瞬で展開するべく鍵盤に向かい合って刹那的に見つけ出したので、自分でも序奏の間に何が起こっているかよくわかっていない。
楽譜を改めて見返して何がやりたかったのかを考えてみると、
H→E→Aの下降音型は、無機質な響きのする五度重ねの中でも特に硬質な響きがする(おそらくはヴァイオリンの開放弦なんかの印象が大きい)。
一方で左手はF-Aの和音から開始してる以上、どう頑張ってもシャープ系の調には聞こえない。
オクターブで引き離された2度・増4度に彩られて、かなり硬質で冷徹な響きに聞こえると思う。
同じ小節の3拍めで辛うじてF-As-Fとf-molの和音を聞かせるも、右手はそのままオーバーランしたあげくスケール上にないDisに衝突。A→As→Gの半音階とF→Hの増4度に助けられている気がする。
Baugを経て左手の旋律にバトンパス。5のa-molでようやく着地する。ここの左手の旋律は普通。
5~:ベースラインが半音階で下降して曲全体の雰囲気を提示する。右手はまたしても不思議なリズムと音響。和音的にはEmM7→E
9~:右手の最高音と左手の最低音が平行線を辿って聴衆はきっと路頭に迷うはず。左手のC-Eをここまで固持されるととてもいい迷惑だと思う。右手はなんだかふわふわとして拠り所のない旋律。実際この辺りはまだ無調的なものを目指していたためその目的は果たされている。意図的に調子は外されている。
全体的に下り調子のなか、下降音型に増音程、上昇音型に減音程を使うことでダウナーな気分をよりダウナーに仕立て上げているのかも。
23の左手は微妙に半音階ではない。強いて言うならコンディミ上行→半音階下降→カデンツの複合技。またの名をご都合主義。
25~:左手は冒頭で使ったリズムの変形。書いているときはあまり意識していなかったけど、和音遷移のタイミングが絶妙にズレてるので、ズレた強拍がさらにずらされたみたいな浮遊感が漂っている。ふつう8小節使う楽節を6小節に詰めてあり、あちらこちらから不安定な軋みが聞こえてくる
ようになっている。
24と30で和声が異なっているのは、たぶん声部が増えてソプラノの3度下に居座ったせい。というかその後もいくつか一度目と異なる和音に差し替えられている。
あっちこっち暴れまわった割には、35,36はセオリー通りの展開。すぐに冒頭の雰囲気が復活するけれども。
41~:再現部およびコーダ。やろうと思えばもう一回くらい展開を挟めるのかもしれないけれど、それを潔く拒否してコーダに突入する。全体的に生き急いでる感があるかもしれない。普段から展開を飛ばして終わりに向かいたがる傾向にあるけれども、この曲は意図的に詰められているため違和感はそこまでないはず。
地味に62がイジメかもしれない。
Axiom 2: (φ → (ψ → χ)) → ((φ → ψ) → (φ → χ))
主に倍音列と音響の研究が行われている曲。基音に対して長七度の音は第15倍音に相当するので、和音の中でも上のほうに配置するか他と引き離すかして響きを作っている。
さらに低音を第五音(第3倍音)や第三音(第5倍音)にすることで、無理のない範囲でかなり低い低次倍音を鳴らしている。冒頭の和音なら第2倍音1Gesや第1倍音0Gesあたりの音を狙っている。
上記のことに終始しているため、それ以外はわりと単純な造りをしている。
テンポは、曲の長さの問題と前後の対比も兼ねて遅めのほうがいいと思われる。ただし一応メロディが存在するため、常識の範囲内で。
Axiom 3: (¬ψ → ¬φ) → (φ → ψ)
大好きなMTL3番で好き勝手書いた曲。メシアンはこれを体系立てた張本人なので2番でも3番でもお構いなしなんだけれど、自分は2番を使うとどうしても陰鬱になっちゃってうまくいかない。そんなこともあって3番はおかしな曲や幻想的な曲を作りたいときに真っ先に利用するツールとなっている。
調性はG-A-Ais(B)-H-Cis-D-Es-F-Fis。テンポはマーチ想定だけど、一番自由にいじれるかもしれない。
1~:和音の連続というよりは3声+αという雰囲気。Fが出現するわりにはFis→Gの強力な移行を行うため、おそらくG調なのだけれどどこかおかしな旋法に聞こえる。どこか教会旋法っぽいかもしれない。ガブリエリとかサティとか好きなので可能性は否定できない。
低音のFis→Gに合わせてF#といったトンデモ和音を混ぜ込めるのがこの旋法の醍醐味だと思う。
4~:メロディが登場。執拗にCisを挟むためメロディだけDかA調に聞こえてくる、のかも。実際、音高のせいもあるのか実際以上に浮わついて聞こえるし。
2回目(14~)はB→Cis→DからD→Dis→Eisとさらに3度上へ持っていかれる。コード的にはG→D→Bbと書いたほうが見やすいのだけれど。属調からの長3度降りという急速転調はかなり危ない。特に3度転調は長短問わず劇薬。効果は東方Projectの楽曲をご参照ください。
21~22でかなり無茶苦茶な復帰を行っている模様。以前からメロディが暴れた際にこの復帰芸はこっそり発揮されているものの、今見直していてこれこそ解析すべきものではないかと思い始めた。どうやら、上2声と低声がバラバラに復帰することでわけのわからなさを作っているようだと推測。臨時記号に惑わされないように見ると、下はDの時点で復帰の目処を立てており、上は先ほどの響きに引きずられているものの最後の下りの音階で立て直している。
27~:ちょっと「火星」っぽいのはたぶん気のせいじゃない。内声の入れ方とかはもろに流用しているはず。
中低音主体の和音のうねりに対して、高音かつ2度の和音が対比になっている。Eis-C-D-Eisとか指がつりそう。
43~:再現部+コーダ。特に代わり映えなし。
Inference rule
lentとの対比を考えるとテンポは中庸~速めと思われる。
冒頭2小節が何よりも先に存在したため、技術的な主軸は特になし。結果、一番難産に。
1~:音響的には4度と7度が支配的に聞こえる。一方で2小節めでは同じ音からsus4からの移行、もしくは古典的なアーメン終止の音型をとる。
8~:突然減5度上に飛び上がる。ヒステリック。右手に左手の音を合わせたため、冒頭の不思議な響きはきれいに鳴りを潜めている。
15~:突然曲想が変わる。何が起こったし。ここから最後までいちおうGes-durで表記されているが、旋律はあんまり忠実じゃない。特に15と17。
ここのメロディは鼻歌から錬成した記憶があるのだけれど、きっちりとしたオクターブじゃなくて少し狭い7度なのは、逆に人間らしい音程なのかもしれない。
21~:主題が復活する。高声と低声が互いに煽りあうような音の並びに配置してある。といっても、高声の旋律で勢いの足りないところを低声で補強して作ったのだけれど。
24以降はかなりオーケストラ的な響きを意識して作られている。29~34とかかなりの勢いでドヴォルザークだと思う。ちゃんと研究したわけじゃないけど。
ただ、オーケストラ曲の終盤のドラマチックな和音の並べかたは是非研究を重ねたいとは思っている。
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プロフィール
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喇(ラツ)
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性別:
男性
職業:
大学生
自己紹介:
東方アレンジ・編曲・作曲・オーケストラとか
1年遅れで大学院生になります。
トロンボーン歴は10年を超えました。バストロンボーンを吹きます。
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