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音楽サークル「躁霊音楽団」の活動報告とかです。 動画投稿・楽譜公開・SS投稿……その他いろいろ。 since 2009/03/13
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第2回おこめこんぺに参加してました。

結果発表まで参加の表明は禁止されてたのでやっと書けます。

テーマ「旅」というありふれたように見えて、東方SSということを加味すると途端に幅の狭くなるなかなかの難題。
私は卑怯にも百閒先生の御力をお借りして、「特別阿求列車」なるトンデモ作品をぶん投げ致しました。自分で言うかそれを。


以下雑感をばらばらとぶん投げる予定

・お題
 幻想郷というのは冥界やら天界やら地底やら地獄やらくっついていますが、山間の隠れ里という性質上結局あんまり広くありません。主要キャラは大抵空飛べるし。
 結果、旅らしい旅をしようと思えば、「幻想郷から外へ出かける」「外にいたことのあるキャラ(風・星・神組)の過去話として書く」というのが筋になってきます。類型が似通う中で、自分の持ち味をどう出すか、どういう話を書くかというのが今回のこんぺで焦点のひとつになったのかなと思います。
 難易度が難しいとまあ作品数が伸びないのも有りなんという感じで、主催者側はけっこう苦い顔をされているみたいですが、だからと言ってお題の時点で調整を効かせるのもなんか違うだろうとは思うので、別にお題およびその制度に問題があるとはあまり思いません。よほど参加者集めをしたいなら、いっそ投票で無く主催の独断にしてしまえば調整もへったくれもないですし。

 さて参加者の皆様がお題をどう消化したか、というのを見てみると、
・幻想郷の外が(1幕以上)登場する話 4本
  内、過去話 2本
・幻想郷の中での話 4本
・よくわからない場所/外とも中とも言い難い場所が登場する話 3本
と言った内訳でした。

意外にも王道はハズしてくる感じの人が多かったです。
先述の「風・星・神組の過去話」が2本(+1本)、「幻想郷の中から外へお出かけ」は1本しかなかったですし、それに対してなんだかよくわからない場所が登場する作品が3本もありました。
うち2本はコメディ色が強いので同列に並べていいのかアレですが。

これだけ際物が多いと、逆に王道が浮いてきますね。
まあ、王道は王道だからこそ書き手の技量が試されるというところがあるので難しいですが。


・駆け込み投稿
 今回のこんぺ最大の問題は個人的にこれだと思います。完全に私見ですが。
 最初に投稿があったのが締め切り当日の17:50なので、これがもう心臓に悪い悪い。
 他人の投稿の有無すら表示されない仕様なのかと超ビビッてましたし、もし過疎が極まって誰も投稿してないのであれば自分のだけポツンと投げられてるのはヤバすぎるだろう(自意識過剰)と、作品投稿をやめようかとすら思ってました。
 このコンペだと作品が見れるのは投稿期間終わってからなんでアレですけど、こういうイベントのときにクオリティを半ば無視してすっごい速さで作品上げてくる人って貴重だと思うんですよね。それが呼び水になって「楽しそうだからいっちょ作ってみっか」みたいなのもあると思いますし。
 呼び水とは言わなくても、今回みたいなのはマジで心臓に悪いから余裕をみんな持とうぜって思います。


・参加者はいかにして増えるか
 今回の参加者の少なさを主催様がお嘆きでした。
 お題投票の時は私も参加どころか参画すらしてなかったのでその時の状況を知らないのですが、どうやらお題投票には結構な票数が集まっていて、主催さんは前回以上の投稿を見込んでいたみたいですね。
 聞くところによると夏コミの制作ともろ被りしたとかで、貧乏地方大学(院)生には関係のない話題だったりもするのですが、それはさておき。
 今の同人界隈って東方SSに限らず物書きに限らず、読み専がかなり少ない印象を受けます。
 「同人は始めるの簡単だよ!みんなやってみようよ!」みたいなキャンペーンが割と功を奏してるというか、そういうハードルは年々低くなってますし、新規に来た人がすぐに製作者側に回るのを方々で見かけます。
 さて界隈の人がみんな製作者側に回るとどうなるか。制作に時間を取られて他の人の作品を見なくなります。ゼロになることはないと思いますが、聞き専読み専だった時期の熱の入れようというのは難しくなります。相対的に時間が割けなくなるので。
 というわけで、製作者過多で読み専がいないわけです。数字としての証拠は特に無いですがそういう仮定で以下書きます。
 製作者ばっかというか、このこんぺに作者しかいないとどうなるかというと、ルール上迂闊なことが言えなくなります。まず第一にTwitterで告知ができません。いや、周りと歩調を合わせてみんなで盛大にやればできないことも無いですが、書き手であることを公表してる以上宣伝ひとつにしても「こいつさては参加してるな?」ということを思わせるんじゃないかと思いまして。(思わせたくないというのもありましたし。)
 そういう意味では、このコンペのルールって読み専市場ありきな気もします。「不参加表明」はアリだったんでしょうか?たぶんこんぺの趣向を考えるとダメだと思いますが。

 消費側の存在をいかにして増やすか、人材を耕すかが重要になるのかなあと思います。現状に合わせてルールの方を変えても限度があるし近い気がするので。


追記は各作品の感想&自作品の紹介です。
書いてるうちに夜が明けちゃったので半分ほど今晩に後回しさせていただきます。






紹介順は記事執筆時点での閲覧数(昇順)です。

うにの歌 作者: めるめるめるめ

【あらすじ】
 両親の代わりに阿求のところへおつかいに出かけた小鈴。はじめてのおつかい的大冒険は、いったいどんな顛末になるのでしょうか?

【所感】
 好き勝手な小鈴の一人語りで話は進んでいきます。調子のよい語り口に引かれてどんどん進んでいるうちに、なんだかおかしな具合になってきます。
 最終的にかなり自由なコメディの風合いになりますが、小鈴の語りに乗っていればさして違和感を感じることはありませんし、展開に関しても筒井作品だと思えば緩いほうです(暴論)。
 終盤ちょっと急き過ぎた感がありますが、全体的にいいテンポ感だと思います。オチというか〆めがわりとありがちなんですが、別に悪いようにはなってないですし、むしろありがちな〆めだからこそ想像の余地を膨らませられて良いと思います。



特別阿求列車 作者: 喇叭吹きは休日

【あらすじ】
 用事もないのに遠出をしようと思い立った稗田逢帰幽先生。お供に編輯者の何々(なにがし)を連れて、自由にも程がある旅路が始まります。

【紹介】
 タイトルの通り、内田百閒「特別阿房列車」のオマージュ作品です。元作品では当然列車が登場しますし、なんなら東京から大阪まで500余粁を旅してますが、本作品には一切列車は出てきません。
 クロスオーバー作品にありがちな強引さはそこまで無いのではと自負しております。なにしろ阿求の物言いがもともとけっこうぶっ飛んでるので、そこに百閒先生成分を足しても割と阿求っぽい。お供に付けた文もキャラ設定をヒマラヤ山系に寄せたので、普段どこの二次創作でも見ないキャラに仕上がったんじゃないかなと思います。
 惜しむらくは短い。2位の14.76KBを大きく引き離し、ダントツのワースト1位です。実際、元作品に倣ってもっと引き延ばす予定でした。間に合いませんでしたが。



コールマイネーム 作者: Pumpkin

【あらすじ】
――真っ赤なポルシェが駆ける。「わ」ナンバーのポルシェが駆ける。初夏の陽光が、ポルシェを輝かせる。荒川を輝かせる。(本文より引用

いろんな道理をぶっ飛ばしてレミィと咲夜がさいたまを旅する作品。たぶん。

【所感】
 なんでもアリか!ってくらいメタとクロスオーバーとドタバタの嵐。個人的にはあんまり好きじゃないです。
 どのくらい自由かと言うのは、あらすじで引用した冒頭1行でお分かりかと思います。

 開始1行で「あこれギャグだ」と悟らせたり、ぶっ飛んだ中でもちゃんと無理もなく収束させたり、ちゃんとしっかりした作品ではあるので、好みが分かれるだけで完全にダメなわけじゃないとは思います。



帰る場所は 作者: くしなな

【あらすじ】
 香霖堂で見つけた蕪、もといカブに乗って、れっつツーリング。

【所感】
 まさかカブを幻想郷に持ち込んでくるとは思わなかった。
 バイクに乗ったことがないので描写に関しては屯と分かりませんが、空気感はとてもいいなと思いました。ちょっとドライブとかしてみたくなりますね。免許すら持ってないですが。
 中盤で話の流れがかなり変わってしまったのが唐突に思ったのと、「帰る場所」というアイコンが他作品と重なってしまったため、そういう意味ではちょっと残念な仕上がりになってしまったかなーと思ってしまいます。
 ただキャラの掛け合いは好みなタイプのやつでした。



幻想郷からの歩き方 作者: がま口

【あらすじ】
 突然「外界に帰りたい」と言い出した早苗。戸惑いながらも、「半日行ければいいから」という説得に押されて、保護者二柱は許可を出した。
 早苗は外界に飛び出す。外界との最後の未練を断ち切るため……そもそもその未練とはいったい?

【所感】
 いろんな意味でド王道の作品。ここまで正面切ってると変化球だらけのこんぺ投稿作の中で逆に浮いて見えます。
 まさか東方SSでこんなド直球な話を読めるとは思ってなかったです。いやー、御馳走様です。
 読み口も軽かったので、非常にさくさくと楽しめました。

 技巧的なところでは、中盤の郷を出るまでのくだりが、妙にリアリティある割には進行の邪魔になってなくて、絶妙なバランスだなあと思いました。話全体からすれば割と余分なくだりではあるので、ともすれば完全にテンポを悪くするのですが、全然そんなことはなかったのでとても感心してます。
 強いて言えば、あとがきのくだりってオチは何だったんですか?(関西人並感




霧雨魔理沙は旅に出る 作者: SPII

【あらすじ】
長らく行方の知れない霧雨魔理沙が、紅魔館に出没したという。
その話がおかしいと感じた森近霖之助は、噂を確かめるべく紅魔館へと向かう。

【所感】
 良質な謎解き物だと思います。
 主人公の霖之助が、物語の根幹に関わることを「知っている」(内容は読者には初め提示されない)というのは定番から外れますが、いったいそれが何なのかを含めて謎解きを楽しめる作品だと思います。
 謎解きそのものは自分は得意じゃない(最初から諦めてる)ので、謎解きとしてどうだったかの評価は私は下せませんが、楽しく読ませていただきました。

 落ちに関して、遥か○年前だとそれだけでコメ欄が荒れたよなあ…平和になったなあ……という、本筋に全く関係ない感想を持ったことを付記しておきます。



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無題
こんぺご参加、および感想ありがとうございます。

>駆け込み投稿
主催としても非常に心臓に悪いですので、
作品も感想も皆さん余裕を持って投稿して頂きたいですね。
時間オーバーが発生すると管理者権限使わないといけませんし……

>参加者はいかにして増えるか
読み専で始まった人としては非常に耳が痛いお言葉です。
最後のレビューが3年前……。
いや、主催ですからご指摘のような動き方は出来ないんですけどね。
読み専、昔からかなり数が少ないのですが、
その少ない人々も最近は活動が滞っている方が多く寂しい限りです。

告知はこれでもルール上は緩和したのです。
以前は公式サイトと掲示板の運営スレだけ、みたいな状態でしたし。
作者と作品を結びつけない発言はかなり緩和させたのですが、
「こいつさては参加してるな?」という気持ちが中々大きな障壁ですね。

ご意見ありがとうございました。
これからも企画を楽しんでいただけると幸いです。
あおこめ 2016/08/01(Mon)00:29:22 編集
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自己紹介:
東方アレンジ・編曲・作曲・オーケストラとか

1年遅れで大学院生になります。
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